レースレポート

モトクロス世界選手権第12戦 ベルギーGP/ロンメル 2009年8月2日

MX1スワニプールが得意のサンドコースで健闘


#17 ガレス・スワニプール

 

 前戦スウェーデンGPと今大会の間に、当初予定されていた南アフリカGPがキャンセルされたため、実に4週間ぶりのグランプリとなった。このベルギーGPの会場ロンメルは、ディープサンドで知られる難所で、ヨーロッパの中で最もテクニカルなコースの一つに挙げられている。隣接するオランダやベルギーのライダーにとっては、走行経験がアドバンテージとなるが、KRTのスワニプールもチームの本拠地から近いので、ホームコースと見なしている会場だ。本来であれば、南アフリカGPが地元グランプリとなるはずだったスワニプールだが、このロンメルも第二の地元と言えた。
 また、10月4日にイタリアで行われる、モトクロスオブネイションズに、ポーランがフランス代表として選出され、ムスキャン(KTM)、オーバン(ヤマハ)と共に会見に臨んだ。カワサキとしてはセバスチャン・プーセルとクリストフ・プーセルの落選が残念だが、来年はベストコンディションで出場を果たしてくれるに違いない。

 土曜日に行われた予選レース、MX1クラスはビーラマンの負傷欠場もあり少数で挑んだが、スワニプール=10位、アランダ=24位という結果になった。MX2クラスでは、フロサール=19位、ロンボー=32位、ポーラン=34位。予選結果はカワサキ勢にとって苛酷なレースになりそうな予兆だった。決勝日は雨の影響によって、サンドコースはさらに荒れたコンディションとなる。
 

MX1クラスレポート

#20 グレゴリー・アランダ

#17 ガレス・スワニプール
 

MX1 レース1
 デサール(ホンダ)がホールショットを取ったが、2周目からはディダイカー(スズキ)がリーダーとなる。スワニプールはオープニング9番手、アランダは29番手と出遅れた。序盤スワニプールは、後方から追い上げてきたカイローリ(ヤマハ)とバトルを演じたが、中盤8周目にマシントラブルでリタイア。レースは地元ベルギーのディダイカー、デサール、ラモン(スズキ)が上位を独占する結果となった。カワサキ最上位は、テレブランシュの15位。アランダは19位に食い込んだ。

MX1 レース2
 ナグル(KTM)、ディダイカー、プリーム(アプリリア)、ラモンに続いて、スワニプールがスタート5番手につける。アランダは23番手と出遅れた。サンドを得意とするスワニプールは、序盤カイローリやデサールの先行を許したが、6~7番手のポジションをキープした。レースはナグルが独走で優勝。徐々に這い上がったカイローリが2位、ディダイカーが3位に入った。スワニプールは中盤から後退することもあったが、9位でチェッカーを受け、上位ライダーのペナルティによって、正式結果は8位となった。
 

MX2クラスレポート

#21 ゴルチェ・ポーラン

MX2 レース1
 ムスキャンが好スタートを切り、ゴンサルベス(KTM)が追う展開。スターティンググリッドが悪いカワサキ勢は、ポーランが21番手、フロサールが38番手と出遅れた。不調に喘ぐフロサールは3周でリタイアしたが、ポーランはじわじわとポジションを挽回していった。トップグループに変動はなく、ムスキャン、ゴンサルベス、ローランツ(KTM)の順でゴール。ポーランは15位まで追い上げる頑張りを見せた。

MX2 レース2
 ムスキャンを先頭に、ローランツ、オーバンが続く。フロサールは19番手スタートだったが、5周でリタイア。ポーランは30番手からの追い上げを始めた。レースはムスキャンが独走に持ち込んで優勝。ポーランは13位まで挽回したが、ポイントリーダーのムスキャンが1位/1位と安定した結果を残したため、今大会の敗戦は大きな痛手となった。ランキングが2位から3位に後退したポーランではあるが、大逆転の望みは捨てていない。
 

#17 ガレス・スワニプール

ガレス・スワニプールのコメント
 「ヒート1では好スタートが決まったし、ピットレーンの前でマシントラブルが起きるまで、トップ10以内を走っていた。マシンを換えて臨んだヒート2では、もっといいスタートに成功したし、序盤の数ラップはカイローリやコピンズ(ヤマハ)と競り合うことができた。彼らのリズムを吸収してしばらくキープできたし、トップライダーと一緒に走ることはすごく素晴らしい。とても楽しめるレースだったよ。」
 

グレゴリー・アランダのコメント
 「サンドコースでは練習量が物を言う。準備が足りなければ、何も期待できないものだ。今年はリタイアが多いので、今回は完走することを目標にしていたけれど、結果には満足していない。普段ならトップ10付近を走っているのに、ここではスピードを出せずにはるか後方をうろうろしていた。シーズンオフにはベルギーに住んで、サンドコースを走り込むつもりだ。硬質路面が得意なライダーがサンドを克服するためには、そうするより方法がないと思う。」
 

モトクロスオブネイションズ、フランス代表に選ばれたポーラン(中央)

ゴルチェ・ポーランのコメント
 「今大会に向けた練習を十分に積んだつもりだけど、我々にとって辛い週末になってしまった。精神的にも肉体的にもいい感じだったし、チームのサポート態勢も万全だったのに、すべてが裏目に出てしまった。マシンのセッティングもいろいろ変えたし、レースには自分のすべてを注ぎ込んだから、ずいぶんとポイントを失ったことも後悔はしていない。モチベーションはキープしているし、最後のレースまで逆転のチャンスがあると信じている。来週のロケット(チェコ)は違った展開になるだろうし、リーロップ(オランダ)ではサンドでも速いことを証明してみせるつもりだ。」
 

スティーブン・フロサールのコメント
 「この2週間、どういうわけか全くコンセントレーションできないんだ。サンドを克服するために、6週間もキャンパー生活をしながらここで走り込んだのに…。ヒート1のスタートは最悪だった。ヒート2ではいくらか良かったけれど、サンドコースで出遅れたオープニングラップは、まるで戦争のようだった。80に乗っていた頃、練習で速いのに本番に弱かった自分を思い出したよ。来週は気持ちを入れ替えて、ポディアムを目指したい。」
 

決勝リザルト



MX1クラス レース1

Pos. No. Rider Machine
1 9 K・ディダイカー Suzuki/RM-Z450WS
2 25 C・デサール Honda/CRF450R
3 11 S・ラモン Suzuki/RM-Z450WS
4 6 J・コピンズ Yamaha/YZ450FM
5 222 A・カイローリ Yamaha/YZ450F
6 5 M・ナグル KTM/450SXF
7 19 D・フィリッパーツ Yamaha/YZ450FM
8 8 T・レオック Yamaha/YZ450FM
9 100 K・ストライボス Honda/CRF450R
10 32 M・プリーム Aprilia/MXC450
11 173 T・ポチセック Honda/CRF450R
12 125 Y・マーテンス KTM/450SX
13 37 G・クレスティノフ KTM/450SXF
14 115 C・カンパーノ Yamaha/YZ450F
15 77 S・テレブランシュ Kawasaki/KX450F
16 76 J・ファンノーテン KTM/450SX
17 36 M・ボニーニ KTM/450SX
18 15 J・ビル Aprilia/MXC450
19 20 G・アランダ Kawasaki/KX450F
20 74 I・ステンベルクス Honda/CRF450R


MX1クラス レース2

Pos. No. Rider Machine
1 5 M・ナグル KTM/450SXF
2 222 A・カイローリ Yamaha/YZ450F
3 9 K・ディダイカー Suzuki/RM-Z450WS
4 11 S・ラモン Suzuki/RM-Z450WS
5 32 M・プリーム Aprilia/MXC450
6 8 T・レオック Yamaha/YZ450FM
7 6 J・コピンズ Yamaha/YZ450FM
8 17 G・スワニプール Kawasaki/KX450F-SR
9 25 C・デサール Honda/CRF450R
10 19 D・フィリッパーツ Yamaha/YZ450FM
11 10 C・メロッテ Honda/CRF450R
12 46 J・ドゥーガン CMX450
13 77 S・テレブランシュ Kawasaki/KX450F
14 34 K・サラーツ Honda/CRF450R
15 56 R・ファンバイファイケン Yamaha/YZ450F
16 76 J・ファンノーテン KTM/450SX
17 15 J・ビル Aprilia/MXC450
18 126 S・レンデルス Suzuki/RM-Z450
19 115 C・カンパーノ Yamaha/YZ450F
20 125 Y・マーテンス KTM/450SX

  

MX2クラス レース1

Pos. No. Rider Machine
1 25 M・ムスキャン KTM/250SXF
2 5 R・ゴンサルベス KTM/250SXF
3 34 J・ローランツ KTM/250SXF
4 89 J・ファンホルベーク KTM/250SXF
5 335 D・フェルブリュッヘン Honda/CRF250R
6 94 K・ロクスン Suzuki/RM-Z250
7 39 D・グァルネリ Yamaha/YZ250F
8 128 R・ヨルゲンセン Suzuki/RM-Z250
9 13 M・モンニ Yamaha/YZ250F
10 202 L・ラリユ Yamaha/YZ250F
11 45 J・ニコルス KTM/250SXF
12 22 A・ボワシエ KTM/250SXF
13 3 N・オーバン Yamaha/YZ250F
14 175 N・ラーセン Suzuki/RM-Z250
15 21 G・ポーラン Kawasaki/KX250F
16 37 V・テイエ KTM/250SXF
17 119 M・ポコック Yamaha/YZ250F
18 91 M・カロ Suzuki/RM-Z250
19 51 P・スミトカ KTM/250SXF
20 75 N・トリースト KTM/250SXF

MX2クラス レース2

Pos. No. Rider Machine
1 25 M・ムスキャン KTM/250SXF
2 34 J・ローランツ KTM/250SXF
3 335 D・フェルブリュッヘン Honda/CRF250R
4 3 N・オーバン Yamaha/YZ250F
5 27 M・シファー KTM/125SX
6 94 K・ロクスン Suzuki/RM-Z250
7 128 R・ヨルゲンセン Suzuki/RM-Z250
8 5 R・ゴンサルベス KTM/250SXF
9 39 D・グァルネリ Yamaha/YZ250F
10 13 M・モンニ Yamaha/YZ250F
11 202 L・ラリユ Yamaha/YZ250F
12 22 A・ボワシエ KTM/250SXF
13 21 G・ポーラン Kawasaki/KX250F
14 119 M・ポコック Yamaha/YZ250F
15 23 A・トヌス KTM/250SXF
16 89 J・ファンホルベーク KTM/250SXF
17 519 L・ロンボー Kawasaki/KX250F
18 30 C・クラインクロムホフ KTM/250SXF
19 95 A・ユスツ KTM/250SXF
20 51 P・スミトカ KTM/250SXF



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