レースレポート

モトクロス世界選手権第14戦 オランダGP/リーロップ 2009年8月30日

スワニプールが総合10位入賞 MX1ランキング8位の足場を固める


#17 ガレス・スワニプール

 

2010年KRTライダー
バラガン(左)&プーセル(中央)&ボーグ(右)

 

今回のオランダGP、そして2週間後のブラジルGPで幕を閉じることになる、世界選手権モトクロスシリーズ。ヨーロッパにおける最終ラウンドの舞台は、ファルケンスワードやロンメルと並び称されるサンドコース、リーロップだ。ベルギーを拠点とするスワニプールにとっては得意なサンドだが、ポーランやフロサールのようなフランス人ライダーには正に難所であり、正念場である。

 土曜日に行われた予選レースの結果は、MX1クラスがスワニプール=8位、アランダ=20位。MX2クラスはフロサール=11位、ポーラン=18位。ポーランは何度か転倒を喫したが、無事に決勝進出を果たした。

 リーロップのプレスセンターでは、KRTの2010年チーム体制が発表された。来季はセバスチャン・プーセルを中心に、ジョナサン・バラガンとグザビエ・ボーグを新たに加えた3人体制。バラガンはすでに優勝経験もあるトップライダーの1人。ボーグは来季からMX1に昇格するルーキーだ。KRTはこのメンバーでMX1クラスのチャンピオン獲得を目指すことになる
 

   

MX1クラスレポート

#17 ガレス・スワニプール
 

MX1 レース1
 デサール(ホンダ)、ディダイカー(スズキ)、フィリッパーツ(ヤマハ)、マッケンジー(ホンダ)に続いて、スワニプールが5番手と好スタートを切った。3周目からディダイカーがリーダーとなり、後方ではスワニプールが6周目に3番手までジャンプアップ。上位入賞が期待されたスワニプールだったが、9周目に転倒を喫した後、レース後半は勢いを取り戻すことができず、10位でチェッカーを受けた。上位はディダイカー、フィリッパーツ、レオック(ヤマハ)が占める。

MX1 レース2
 ディダイカー、ナグル(KTM)、ドルーバー(ホンダ)、バラガン(KTM)らが好スタート。スワニプールはオープニングラップ9番手からレースを始めた。目の前にいるカイローリ(ヤマハ)を追いかけて、4周目には8番手に浮上したスワニプール。しかしレース中盤になるとフィリッパーツやラモン(スズキ)に先行を許し、ペースが衰えたまま12位に定着したスワニプールであった。優勝はディダイカー。4位でフィニッシュしたカイローリが、今季のMX1チャンピオンを獲得した。
 

MX2クラスレポート

#21 ゴルチェ・ポーラン

MX2 レース1
 グリッド順18番手というハンディを跳ね返し、ポーランがオープニングラップ8番手につけた。リーダーはゴンサルベス(KTM)。追走する2番手はシンプソン(KTM)からローランツ(KTM)へと代わる。レース中盤に差しかかったところで、ポーランはマシントラブルでリタイア。カワサキの期待はフロサールに向けられたが、スタートで出遅れたために22位でチェッカー。ゴンサルベス、ムスキャン(KTM)、ローランツがトップ3だった。

MX2 レース2
 レース序盤はゴンサルベス、ロクスン(スズキ)、ムスキャンが三つ巴のトップ争いを展開。3周目からはムスキャンがリーダーとなった。ポーランは18番手、フロサールは23番手からスタート。3周目の転倒により一時後退したポーランだったが、14位まで挽回してチェッカー。フロサールは22位でレースを終えた。
 

#183 スティーブン・フロサール

ガレス・スワニプールのコメント
 「とてもいい気分で臨んだヒート1には、自分のすべてを注ぎ込んだし、一時3位につけてトップライダーと競うことができた。コピンズ(ヤマハ)やフィリッパーツを追い回していた矢先の転倒で、その後はエネルギーを失ったり、筋肉痛に悩まされたりしたけれどね。ヒート2はゲートで腹痛を起こした割には、9位か10位という悪くないスタートを切れた。その後はスタミナ切れでサバイバルレースになった。リーロップの経験は何度もあるけれど、やはり450で走ったせいかものすごくタフなレースだったよ。思えばチェコGP、アメリカのバッズクリーク、イギリス選手権、そしてこのオランダGPという過密スケジュールで少し疲れていたのかもしれない。少し休んでから、最終戦ブラジルGPに向けてモチベーションを高めていきたい。」
 

ゴルチェ・ポーランのコメント
 「チーム全員が一丸となって今大会に備えてきた。ロンメルやその他のベルギーのサンドコースでテストを行ない、サスペンションセッティングを詰めてきたし、自分自身のサンドにおけるスキルアップも十分に積んできたつもりだ。でも今日はそのポジティブな気持ちを持ち続けることができなかった。予選レースでは3回も転倒したし、ヒート1でも好スタートを切ったのにクラッシュ、そしてトラブルでリタイア…。ヒート2はあまりスタートがよくなくて、序盤の転倒の後はリズムに乗れずに終わってしまった。タイトルの望みはなくなったけれど、チームのみんながベストを尽した結果だから後悔はしていない。」
 

スティーブン・フロサールのコメント
 「2度ともスタートに失敗したので、立派なリザルトを残すことができなかった。こういうサンドコースでは出遅れてしまうと挽回するのが難しいし、予想していたことではあるけれど、体力的にもとてもきつかった。サンドを克服しなければいけないことはわかっているし、だからベルギーに2ヶ月も住んでサンドコースで練習してきたんだ。十分学んだつもりだけれど、まだまだ足りないようなので、今度のシーズンオフにもベルギーで走り込むつもりだ。」
 

決勝リザルト



MX1クラス レース1

Pos. No. Rider Machine
1 9 K・ディダイカー Suzuki/RM-Z450WS
2 19 D・フィリッパーツ Yamaha/YZ450FM
3 8 T・レオック Yamaha/YZ450FM
4 6 J・コピンズ Yamaha/YZ450FM
5 222 A・カイローリ Yamaha/YZ450F
6 25 C・デサール Honda/CRF450R
7 11 S・ラモン Suzuki/RM-Z450WS
8 5 M・ナグル KTM/450SXF
9 32 M・プリーム Aprilia/MXC450
10 17 G・スワニプール Kawasaki/KX450F-SR
11 117 T・セーデルストローム Kawasaki/KX450F
12 111 A・レオック TM/450MX
13 56 R・ファンバイファイケン Yamaha/YZ450F
14 37 G・クレスティノフ KTM/450SXF
15 24 T・チャーチ CMX450
16 173 T・ポチセック Honda/CRF450R
17 211 B・マッケンジー Honda/CRF450R
18 125 Y・マーテンス KTM/450SX
19 115 C・カンパーノ Yamaha/YZ450F
20 77 S・テレブランシュ Kawasaki/KX450F


MX1クラス レース2

Pos. No. Rider Machine
1 9 K・ディダイカー Suzuki/RM-Z450WS
2 6 J・コピンズ Yamaha/YZ450FM
3 25 C・デサール Honda/CRF450R
4 222 A・カイローリ Yamaha/YZ450F
5 5 M・ナグル KTM/450SXF
6 8 T・レオック Yamaha/YZ450FM
7 7 J・バラガン KTM/450SXF
8 19 D・フィリッパーツ Yamaha/YZ450FM
9 111 A・レオック TM/450MX
10 11 S・ラモン Suzuki/RM-Z450WS
11 14 M・ドルーバー Honda/CRF450R
12 17 G・スワニプール Kawasaki/KX450F-SR
13 56 R・ファンバイファイケン Yamaha/YZ450F
14 173 T・ポチセック Honda/CRF450R
15 24 T・チャーチ CMX450
16 32 M・プリーム Aprilia/MXC450
17 36 M・ボニーニ KTM/450SX
18 37 G・クレスティノフ KTM/450SXF
19 77 S・テレブランシュ Kawasaki/KX450F
20 34 K・サラーツ Honda/CRF450R

  

MX2クラス レース1

Pos. No. Rider Machine
1 5 R・ゴンサルベス KTM/250SXF
2 25 M・ムスキャン KTM/250SXF
3 34 J・ローランツ KTM/250SXF
4 94 K・ロクスン Suzuki/RM-Z250
5 55 M・クラス KTM/250SXF
6 335 D・フェルブリュッヘン Honda/CRF250R
7 39 D・グァルネリ Yamaha/YZ250F
8 30 C・クラインクロムホフ KTM/250SXF
9 202 L・ラリユ Yamaha/YZ250F
10 175 N・ラーセン Suzuki/RM-Z250
11 75 N・トリースト KTM/250SXF
12 13 M・モンニ Yamaha/YZ250F
13 91 M・カロ Suzuki/RM-Z250
14 37 V・テイエ KTM/250SXF
15 23 A・トヌス KTM/250SXF
16 24 J・ブトロン KTM/250SXF
17 121 X・ボーグ Suzuki/RM-Z250
18 51 P・スミトカ KTM/250SXF
19 338 Z・オズボーン Yamaha/YZ250F
20 119 M・ポコック Yamaha/YZ250F

MX2クラス レース2

Pos. No. Rider Machine
1 25 M・ムスキャン KTM/250SXF
2 94 K・ロクスン Suzuki/RM-Z250
3 5 R・ゴンサルベス KTM/250SXF
4 89 J・ファンホルベーク KTM/250SXF
5 34 J・ローランツ KTM/250SXF
6 4 S・シンプソン KTM/250SXF
7 121 X・ボーグ Suzuki/RM-Z250
8 55 M・クラス KTM/250SXF
9 335 D・フェルブリュッヘン Honda/CRF250R
10 3 N・オーバン Yamaha/YZ250F
11 37 V・テイエ KTM/250SXF
12 13 M・モンニ Yamaha/YZ250F
13 30 C・クラインクロムホフ KTM/250SXF
14 21 G・ポーラン Kawasaki/KX250F
15 56 A・ボブリシェフ Yamaha/YZ250F
16 175 N・ラーセン Suzuki/RM-Z250
17 23 A・トヌス KTM/250SXF
18 91 M・カロ Suzuki/RM-Z250
19 45 J・ニコルス KTM/250SXF
20 75 N・トリースト KTM/250SXF



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