レースレポート

モトクロス世界選手権第15戦 ブラジルGP/カネリーニャ 2009年9月13日

MX2でフロサールが総合3位のポディアム  ポーランがランキング3位を確保


#183 スティーブン・フロサール

 

 今シリーズのフィナーレを飾る最終戦が、初春の南半球で行われた。ブラジルで世界選手権モトクロスが開催されるのは、2000年(250ブラジルGP/ベロオリゾンチ、125ブラジルGP/インダイアトゥーバ)以来9年ぶりのこと。今大会はサンパウロの南に位置するカネリーニャに作られた新コースが舞台だったが、大雨に見舞われたために準備は大幅に遅れた。土曜日はコースが崩れるのを防ぐために、走行スケジュールがすべてキャンセルになり、天候が回復した日曜の午前中に、予選レースに代わって短いタイムドプラクティスが行われた。

 そのタイムドプラクティス、MX1クラスでは、ビーラマン=1分56秒449=11位、スワニプール=1分57秒543=15位を記録。トップタイムはカイローリ(ヤマハ)の1分51秒928だった。もう一方のMX2クラスでは、フロサール=2分00秒357=1位、ポーラン=2分01秒386=5位。フロサールが獲得したポールポジションが、際立つ予選結果となった。快晴に恵まれた日曜日、コース上には当初ウェットスポットが少々残っていたが、午後には砂塵が舞い上がるほどのドライコンディションになった。
 

   

MX1クラスレポート

#17 ガレス・スワニプール
 

MX1 レース1
 ナグル(KTM)、デサール(ホンダ)、ラモン(スズキ)、ディダイカー(スズキ)らが上位グループを形成。ビーラマンは14番手、スワニプールは17番手と出遅れた。ビーラマンは5周目にリアブレーキを失ってリタイア。それと入れ替わるように、スワニプールがトップ10を目指して挽回を始める。レースリーダーは、中盤9周目からデサールへと代わり、ナグルの追撃を振り切って優勝。スワニプールは9位に入った。

MX1 レース2
 ディダイカーが飛び出し、ラモン、ナグル、デサールと続く。スワニプールはオープニングラップ10番手、ビーラマンは12番手につけた。レース中盤にはビーラマンがスワニプールを捉え、9〜10番手を争う。終盤15周目には2台のポジションが逆転。最終ラップにはビルの前に出てビーラマンが8位、スワニプールが9位。優勝は5周目からリーダーを務めたラモンが物にした。
 

MX2クラスレポート

#183 スティーブン・フロサール

#21 ゴルチェ・ポーラン
 

MX2 レース1
 ゴンサルベス(KTM)、テイエ(KTM)らが好スタート。フロサールとポーランは、1周目6〜7番手につけた。トップには4周目からムスキャン(KTM)が立ち、レースを優位に支配する。追う2番手はゴンサルベス、テイエ、ロクスン(スズキ)と入れ替わったが、ムスキャンが逃げ切ってタイトルが確定。フロサールは4位、ポーランは6位まで挽回した。

MX2 レース2
 ゴンサルベス、ムスキャンに続き、フロサールが3番手と好スタート。ポーランは7番手からキャッチアップを図った。2周目からはトップのムスキャンをフロサールが追う形となり、ここにスタート5番手から浮上してきたロクスンが加わり、三つ巴のバトルが繰り広げられる。13周目にはロクスン、ムスキャン、フロサールの順となったが、ラスト3周でムスキャンが再度リーダーに。僅差のままムスキャン、ロクスン、フロサールがフィニッシュ。これによりフロサールは、総合3位(4位/3位)の表彰台に登壇した。ポーランは途中5番手まで浮上したが、マシントラブルでリタイアした。
 

#183 スティーブン・フロサール

スティーブン・フロサールのコメント
 「短時間のプラクティスでポールポジションを取ったことは驚きだ。でも感触が良かったことは確かだ。ヒート1のスタートは平均的なものだった。数周でゴーグルのティアオフを使い果たしてしまったこともあり、4位まで上がるのが精一杯だった。トップ3にはずいぶん逃げられてしまったし…。ヒート2ではもっといいスタートが切れたので、ムスキャンの後をぴったりマークした。抜けなかったけれど、トップの彼にプレッシャーをかけ続けた。そこへロクスンが加わり、3位に下がってからも必死に挽回を試みたけれど、わずかに及ばなかった。それでも最終戦でポディアムの上に立てたことは、うれしい戦果だった。」
 

#21 ゴルチェ・ポーラン

ゴルチェ・ポーランのコメント
 「ヒート1ではスタートが良かったのに、1周しないうちに前のライダーがミスをしたので、ちょっとポジションを失った。ゴンサルベスに続く6位まで挽回したけれど、彼を抜く場所がなかなか見つからなかった。それでもシリーズランキング3位になるには十分だったので、目的は達成できてよかった。これからはKX450Fに乗り換えて、モトクロス・オブ・ネイションズに集中していく。テストはすでに始めているし、個人タイトルを逃した今は、団体戦のネイションズでフランスにチームタイトルを!と燃えている。」
 

ガレス・スワニプールのコメント
 「率直に言って、今回は最良のグランプリではなかった。ブラジルまで遠征してきたのに、天気が悪くひたすら待たされて走れなかった。もちろん可能な限りのトレーニングはしたけれど、自分のコンディションは心身ともにベストにはならなかった。ひどい大雨だったからマディレースになると覚悟していたけれど、実際は見事なドライになった。今回の目標はランキング8位を得ることで、もちろんそれは達成できたし誇りに思っている。この後はイギリス選手権の最終戦と、モトクロス・オブ・ネイションズに向けた準備がある。」
 

デビッド・ビーラマンのコメント
 「引退レースを8位で終えることになったけれど、結果には満足している。スタートがそれほど良くなかった割に、スワニプールやレオックを抜くことができたし、とても楽しかった。コースはていねいに整備されていたし、土質や深いワダチも悪くなかった。降り続いた大雨のことを思えば、とても信じられないベストコンディションだったし、オーガナイザーはいい仕事をした。外国でのレースはいつもと違った雰囲気があるし、自分にとって最後のレースをブラジルで走ったことは、とてもいい思い出になるだろう。」
 

決勝リザルト



MX1クラス レース1

Pos. No. Rider Machine
1 25 C・デサール Honda/CRF450R
2 5 M・ナグル KTM/450SXF
3 19 D・フィリッパーツ Yamaha/YZ450FM
4 9 K・ディダイカー Suzuki/RM-Z450WS
5 6 J・コピンズ Yamaha/YZ450FM
6 222 A・カイローリ Yamaha/YZ450F
7 11 S・ラモン Suzuki/RM-Z450WS
8 8 T・レオック Yamaha/YZ450FM
9 17 G・スワニプール Kawasaki/KX450F-SR
10 64 A・バルビ Honda/CRF450R
11 115 C・カンパーノ Yamaha/YZ450F
12 24 T・チャーチ CMX450
13 46 J・ドゥーガン CMX450
14 14 M・ドルーバー Honda/CRF450R
15 15 J・ビル Aprilia/MXC450
16 68 J・シルバ Kawasaki/KX450F-SR
17 221 W・ガルシア Honda/CRF450R
18 137 R・ダシルバ KTM/450SXF
19 130 R・ゼンニ Suzuki/RM-Z450
20 114 L・シルバ Honda/CRF450R


MX1クラス レース2

Pos. No. Rider Machine
1 11 S・ラモン Suzuki/RM-Z450WS
2 25 C・デサール Honda/CRF450R
3 6 J・コピンズ Yamaha/YZ450FM
4 9 K・ディダイカー Suzuki/RM-Z450WS
5 5 M・ナグル KTM/450SXF
6 115 C・カンパーノ Yamaha/YZ450F
7 19 D・フィリッパーツ Yamaha/YZ450FM
8 12 D・ビーラマン Kawasaki/KX450F
9 17 G・スワニプール Kawasaki/KX450F-SR
10 15 J・ビル Aprilia/MXC450
11 64 A・バルビ Honda/CRF450R
12 222 A・カイローリ Yamaha/YZ450F
13 24 T・チャーチ CMX450
14 221 W・ガルシア Honda/CRF450R
15 137 R・ダシルバ KTM/450SXF
16 130 R・ゼンニ Suzuki/RM-Z450
17 59 M・ギラル Suzuki/RM-Z450
18 62 C・バラナオン Yamaha/YZ450F
19 84 V・アルコ Yamaha/YZ450F
20 66 M・バルビ Honda/CRF450R

  

MX2クラス レース1

Pos. No. Rider Machine
1 25 M・ムスキャン KTM/250SXF
2 94 K・ロクスン Suzuki/RM-Z250
3 37 V・テイエ KTM/250SXF
4 183 S・フロサール Kawasaki/KX250F-SR
5 5 R・ゴンサルベス KTM/250SXF
6 21 G・ポーラン Kawasaki/KX250F
7 202 L・ラリユ Yamaha/YZ250F
8 39 D・グァルネリ Yamaha/YZ250F
9 34 J・ローランツ KTM/250SXF
10 4 S・シンプソン KTM/250SXF
11 45 J・ニコルス KTM/250SXF
12 33 C・スベラース Yamaha/YZ450F
13 13 M・モンニ Yamaha/YZ250F
14 153 M・マディ Suzuki/RM-Z250
15 112 S・ザノニ Honda/CRF250R
16 122 C・カストロ Yamaha/YZ250F
17 438 E・リマ Honda/CRF250R
18 411 G・タカハシ Honda/CRF250R
19 24 J・ブトロン KTM/250SXF
20 300 H・アスンソン Honda/CRF250R

MX2クラス レース2

Pos. No. Rider Machine
1 25 M・ムスキャン KTM/250SXF
2 94 K・ロクスン Suzuki/RM-Z250
3 183 S・フロサール Kawasaki/KX250F-SR
4 39 D・グァルネリ Yamaha/YZ250F
5 5 R・ゴンサルベス KTM/250SXF
6 34 J・ローランツ KTM/250SXF
7 45 J・ニコルス KTM/250SXF
8 13 M・モンニ Yamaha/YZ250F
9 37 V・テイエ KTM/250SXF
10 4 S・シンプソン KTM/250SXF
11 33 C・スベラース Yamaha/YZ450F
12 917 T・ビラルジ Honda/CRF250R
13 24 J・ブトロン KTM/250SXF
14 112 S・ザノニ Honda/CRF250R
15 153 M・マディ Suzuki/RM-Z250
16 123 H・マルティン Suzuki/RM-Z250
17 438 E・リマ Honda/CRF250R
18 93 J・フェリペ Kawasaki/KX250F
19 322 R・ロドリゲス Honda/CRF250R
20 411 G・タカハシ Honda/CRF250R



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